ニュースリリース
2023年11月24日 掲載
宮崎大学医学部臨床神経科学講座精神医学分野の平野羊嗣准教授、田村俊介助教らの研究グループは、音声呈示時、顔画像呈示時、ならびに音声+顔を同時に見せた時における脳磁図計測を行い、統合失調症者において左半球の外側溝後枝や右半球の紡錘状回といった、視聴覚から得られる言語情報を統合する脳内ネットワークの活動に異常が見られること、さらに、その異常が統合失調症者の抱える社会機能障害と深く関連する可能性があることを発見しました。本研究では、比較的単純な音声と顔刺激を用いて、聴覚や視覚といった感覚処理に関わる脳領域間の脳内ネットワークを同定することに成功しましたが、本研究の知見を、社会機能を向上するために行われるリハビリテーションプログラムの効果を客観的に評価するために応用することが出来ると考えられます。また、将来的には、ニューロフィードバックなどの神経活動を制御する技術を用いて、視聴覚音声知覚に関連する脳機能異常の改善を図るシステム開発にも取り組むことも考えています。本研究結果は 2023 年11月22日にヨーロッパ神経学会連合のオフィシャルジャーナル『European Journal of Neuroscience』に掲載されました。主なポイントは以下のとおりです。●統合失調症において, 左半球の外側溝後枝や右半球の紡錘状回といった視聴覚を統合する脳内ネットワークの活動に異常が見られることを発見。●声や顔の視聴覚統合に関わる脳内ネットワークの異常と, 統合失調症者の抱える陰性症状を背景とした社会機能障が強く関連していることを見出した。
▽詳細はこちらから▽・プレスリリース 2023/11/24 https://www.miyazaki-u.ac.jp/public-relations/20231124_01_press.pdf【原論文情報】掲載誌:European Journal of Neuroscienceタイトル:Abnormal connectivity and activation during audiovisual speech perception in schizophrenia著者名:Yoji Hirano, Itta Nakamura, Shunsuke TamuraDOI:https://doi.org/10.1111/ejn.16183
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